「人脈記」で、清水康之代表が紹介されました。
記事を一部抜粋します。
清水はニューヨーク州立大に進むが、姜に学びたいと手紙を書く。1994年秋、国際基督教大に編入。姜が東大に移る前に卒業させた最後の教え子になった。
国家について卒論を書くはずだった。が、オウム事件が起きる。教団幹部井上嘉浩(いのうえよしひろ)(41)が中3で書いた言葉を新聞で読んで、清水は驚く。
〈朝夕のラッシュアワー/時に、つながれた中年達/夢を、失い/ちっぽけな金にしがみつき/ぶらさがってるだけの/大人達〉〈救われないぜ/これがおれたちの明日ならば/逃げ出したいぜ〉
自分が感じたことと、同じだ。日本にいたら自分もオウムへ? あるいは『完全自殺マニュアル』を手にしたか。
卒論は「日本脱出マニュアル」に変え、海外で生きる方法を述べた。とっぴな卒論に、姜が書いた感想は――。
“それでも人生にイエスと言う” いいと思う 姜尚中
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それでも人生にイエスと言う? 何だろう。調べたら、ナチスの強制収容所を生き抜いた精神科医ビクトール・フランクルの本の題だった。
2011年4月18日 朝日新聞