NPO法人ライフリンクは、誰も自殺に追い込まれることのない「生き心地の良い社会」の実現をめざしています。自殺対策は「生きることの包括的支援」であり、「いのちへの支援」です。私たちは、生きづらさをかかえる人たちに寄り添いながら、地域の社会資源や居場所活動へと橋渡しをする役割(つなぎ支援)を担っています。この大切な「つなぎ支援」を担当するのが、コーディネーターです。現場で奮闘するコーディネーター2人の日々を紹介します。
あかねさんは、ライフリンクに入職して4年になります。それまでは、NPOや社会福祉法人などの職員として、厳しい暮らしを強いられている子どもや女性たちの支援を続けてきました。児童虐待の通報を受けると、子どもたちの命を守るために奔走し、発達障害の子どもたちの支援もしていました。散らかった部屋の片づけを一緒にするなど、様々な家庭を支援してきた経験があります。子どもたちとの遊び方や接し方を伝える支援をしたこともあります。そんな長年の経験を生かすことで自殺対策に役立ちたいと、コーディネーターの仕事を選んだといいます。
まさみさんは、半年前、自治体職員からライフリンクに転職しました。まさみさんの社会人生活は看護師から始まりました。医療の最前線で3年間働き、つらい看取りの体験もしました。もっと幅広い分野で人を助けられる仕事をしたいと思い立ち、保健師の資格を取り、自治体に入職しました。自治体では、母子保健の仕事に始まり、精神保健や障害福祉の現場に立ちました。働きながら通信教育で精神保健福祉士の資格も取っています。管理職を務め、福祉の制度設計なども手がけましたが、やはり現場で人と直接関わりたいとの思いから、ライフリンクに応募しました。
コーディネーターの仕事は、ライフリンクの電話相談、SNS相談に声が届いたところから始まります。相談業務を統括するスーパーバイザーが「つなぎ支援」を必要と判断したケースは、コーディネーターへと引き継がれます。お金がなくもう死ぬしかないと思い詰めた人、DVから逃げ出し泊まるところもない人、「消えたい」と家出をした子どもたち…その姿は様々です。そして、その支援も、当面の食事を届けたり、児童相談所や警察に連絡したり、生活支援のために自治体の手続きに同行したり、と多岐にわたります。
支援を続けるうちに、死を口にしていた人たちが生きることを選び、日常の暮らしを取り戻していきます。そうした「巣立ち」をも届けられることが、コーディネーターの最高の喜びだといいます。
コーディネーターの勤務は、シフト制で行われていますが、残業は繁忙期を除いてほとんどなく定時での勤務となっています。あかねさんは、「いったん現場を離れることはとても大切。余暇の時間の充実が仕事に新たな視点をくれます」と話します。あかねさんは旅行、美術、音楽の鑑賞が趣味です。まさみさんは、神社仏閣巡りが大好きで、時間を見つけては御朱印帳を手に素敵な仏像との出会いを楽しんでいます。
コーディネーター同士の情報共有、学び合い、語り合いの場も頻繁に設けられています。担当ケースの知恵を出し合うケース会議や、事例を深く掘り下げて知見を集める事例検討会議など、職員間で意見交換をしながらお互いをフォローし合っています。職員が順番で緊急対応にあたる当番業務では、入職後2カ月間は1人では当番には入らず、先輩がサポートしています。リーダーとの振り返りも頻繁に行っています。一人で抱えるのでなく、チームで対応するという方針をとっています。
最後に二人からのメッセージです。
あかねさんは「力を尽くせば尽くしただけのものが見える仕事です。自分の人生の経験をすべて生かすことができます」
まさみさんは「『話せる人が誰もいない』と思い詰めていた人が『聞いてもらえてよかった』『寄り添ってもらって助かった』と言ってもらえた時のうれしさは言葉にできないほです」
そして二人は「私たちと一緒に働きませんか?」と呼び掛けています。
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