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心の声と向き合う 相談員という仕事

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 NPO法人ライフリンクは、誰も自殺に追い込まれることのない「生き心地の良い社会」の実現をめざしています。自殺対策は「生きる支援」であり、「いのちへの支援」です。その中でも、生きづらさに苦しむ人たちの声を電話やSNSを通して聞く相談業務は、私たちの活動の大切な柱です。相談の現場で働く二人の職員の日々を紹介します。

 アオイさんは、ライフリンクに入職し、電話相談を受けもってまもなく2年になります。電話相談は週2回程度担当しています。電話相談は深夜なら6時間、それ以外は4時間を目途に対話を続けます。

 以前の仕事は介護職でした。特別養護老人ホームに5年間勤め、入所されている方の食事や入浴、排せつなど身の回りのことすべてを担当していました。入所されている方からの「死にたい」の声をたびたび耳にし、寄り添いたいと思いつつも、過酷な仕事の中でその声を聴く余裕がないことに悩んでいたといいます。

 切実な声に寄り添いたい。そう意を決して、ライフリンクに入職しました。電話相談の経験はまったくなく「自分のひとことが、その人の運命を左右してしまうのではないか」と大きな不安を抱えての転職でした。しかし、今は落ち着いて自分を振り返ることができます。「自分ができることは、その人が自分の気持ちと向き合う時間に寄り添うというわずかなこと。相談者の思いを受け止め、相談者の力を信じ、向き合うことを全うしよう」と経験でわかったからです。先日も「死にたい」と繰り返していた人が対話を続けるうちに「本当は生きたいんです」と自分の気持ちを見つめ、終話しました。

 カエデさんは、この春でライフリンク入職1年です。SNS相談を担当しています。電話と違い文字だけでやりとりするために、十分に対話できたかどうか、問い続ける日々だといいます。月に10日前後、相談業務を受け持っています。

 カエデさんも「人の命に影響を与えてしまうのではないか」と不安を抱えての出発でした。しかし、対話を続けるうちに「相談してくれる人はしっかりと意志を持って接してくれる」とわかり、不安は少なくなったといいます。

 カエデさんは美術大学の出身で、卒業後も大学で働いていました。専攻は美術ですが、お母さんが介護職だったこともあり、在学中から介護施設や障碍者施設を訪れ、美術を通じて入所者の支援を行ってきました。母校の在校生の心のケアの手伝いもしていました。そうした活動を通じて、福祉への思いが強まり、1年間勉強して精神保健福祉士の資格を取りました。ライフリンクに入職したのは、「生きる支援」というすべての人を包摂する取り組みに共鳴したからだといいます。

 相談業務は、ベテランの先輩たちが見守り、サポートをします。相談業務の後は、相談員たちがオンラインで振り返りの意見交換もします。アオイさんとカエデさんは「先輩たちの助言はとても勉強になります。相談員同士の振り返りでは、気持ちを整理することができ、新しい相談に臨めます」と言います。

 アオイさんもカエデさんも、相談を受ける仕事の大切さをかみしめる毎日です。そして、自殺対策に関心のある人たちが一人でも多くなり、一緒に働ける人が一人でも増えることを願っています。

 「もし不安で迷っている人がおられるなら、チャレンジしてほしいです。相談業務は未経験だった私たちでも、生きづらい人たちと向き合うことができています。福祉分野での経験や知識が活かせる仕事です。大丈夫です。ぜひ仲間になってください」
アオイさんとカエデさんからのメッセージです。

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